耐震コラム
耐震補強の見積書・失敗しないための10の秘訣!!
首都直下型地震、南海トラフ地震が危惧されている中、家屋の倒壊から、家族の命を守るためには、耐震性の低い木造住宅は耐震補強が必要となります。
あなたが耐震補強を考えるとき、一番気になる工事費用をまとめたものが、工事業者からの見積書です。
そこで、この耐震補強の見積書の内容で気をつけなければならないこと、知っておいて損はない10の秘訣をお伝えします。
1. 価格の安さだけで決めない
大地震に対して、本当に効果のある耐震補強は、決して安いものではありません。
耐震補強は人の命を守るためのものです。
耐震補強 ≒ 一応倒壊しない ≒ 命を守るためには、相応な費用がかかります。
そこでまず、あなたの家を補強するにはいくらぐらい掛かるのか?適正価格はいくらなのか?を知っていただいた上で、見積書を見ることをおすすめします。
価格の安さで決めてしまうと、金額相応でしっかりと耐震性能が確保されず、倒壊の危険性が残ったり、ズサンな工事になる事も・・・注意が必要です。
2. 大雑把な見積書は危険
・耐震補強工事 一式 ○○ 円
・耐震補強や金物 一式 ○○円
上記の見積書は当然ですが論外です。
当たり前のことですが、工事の内訳が記載されてるのが「見積書」です。
このような内訳のない大雑把な見積書?は大雑把な工事に繋がります。
3. 曖昧な見積書はトラブルのもと
「見積書」の内訳はきちんと分かりやすく、できるだけ細かく金額表示されているものがいいです。
また、見積り依頼した内容や条件がしっかり反映されているかも確認して下さい。
見積書を見ながら、一通りの工事内容について説明を受け、どこまで算入されているかなど、疑問に思う点は遠慮なく確認しましょう。
材料の個数や広さ、仕様などが曖昧な見積書の内訳をそのままにしておくと 「言った、言わない」「打ち合せと違う」など思わぬトラブルに発展してしまうこともあります。
4. 同じ家でも補強の材料・工法によって、見積書の金額は変わります
耐震補強の工事費用は、補強箇所・補強内容によってかなり差があります。
補強計画の段階で、費用対効果を考慮して、選んだ補強計画や材料と、そうでないものとは、費用が大きく変わります。
「高ければ良い」「安ければ良くない」ではありません。
このような材料を使って、このような補強計方法で、この金額になると、業者からの説明を受けながら
見積書の内訳を見るといいでしょう。
5. バック料金の裏話
坪○○円、㎡○○円など、建物の面積によって簡単に予算が組めるパック制度があります。
見積書の内容は、耐震補強工事|サービスパック|ⓐ ㎡|ⓑ円|ⓐ × ⓑ円 となり、工事内訳は無く
お任せ工事です。
耐震補強工事にもこのパック制で受注している会社があります。
確かに予算組はすぐできるし、お任せで面倒もありません。
しかし、耐震補強の費用は、同じ面積でも、建築年数や間取りなど、建物の現状によって補強の量(補強ヶ所数)が変わるので、建物の面積によって費用を算出するのには無理があります。
また、ちょっとした追加工事や、仕様変更で価格が跳ね上がることもあるようです。
裏話ですが建築のことも、耐震のことも、何も知らない営業マンに売りやすくしたのが、このパック制です。
「お客様が安心」とうたっていますが、実は売るほうが楽な仕組みなのです。
6. 「一式」に注意する
見積書の書式は、工種別・部屋別等、書き方も様々ですが、工事の項目ごとに使用する材料の仕様と、単価・数量・その施工費(工費)などが記載されています。
工事項目に「一式」が多い場合や、床や壁面積など数量が分かっていて単価が出せるのに、「一式」となっている見積書は要注意です。
材料の数がいい加減であったり、工費が高いなどが疑われます。
また、業者の信頼性にも欠けます。
場合によっては「一式」の内容を説明してもらうことも大切です。
7. わからない事(専門用語など)は聞くべき
見積書には、専門用語が多く入っています。
耐震補強の見積書にも材料の名称・商品名・工法名など、専門用語が目立ちます。
でも、あなたには分からなくて当然です。
しっかりとした会社の担当者であれば、それをあなたに分かりやすく説明できるはずです。
説明がしどろもどろで、いい加減な答えしか返ってこなければ、この段階で見切るべきです。
8. 定価のある商品は、必ずカタログを確認
耐震補強パネルや制振ダンパーなど、耐震補強部材には定価があります。
定価のある商品は必ずカタログを確認してください。
ほとんどの商品は全てと言っていいくらい、定価の20%前後は値引きします。
定価の「3割、4割当たり前」は当たり前なのです。
それでも、逆に商品を半額以下に値引きしている場合は、必ず施工費を確認してください。
商品と施工費を含めた金額で比較し、どういう訳で安くなっているのかを確認するべきです。
安いには安いなりの訳があるからです。
カタログ・見積りを照らし合わせて、なぜ安いのかが納得できない限り頼んではいけません。
補償のない商品だったり、雑な工事をされたりしない様に・・・
9. 「見積書の金額 ≒ 建物の強さ」ではありません
耐震補強の費用次第で家が強くなる訳ではありません。
費用を掛ければ耐震性が増すのは事実ですが、費用対効果の悪いものとなります。
見積書の金額が高い ≒ 建物が強い ≒ 良い耐震補強ではなく、補強設計(補強の計画) の段階で ”いかにコストを考慮し、効果的な補強方法・材料や部品を選んだか” によって、見積書の金額が変わります。
合理的な優れた補強設計であれば、見積書の金額が安い ≒ 建物が強い ≒ 良い耐震補強となります。
10. 見積りには記載されていない助成金と減税
見積書には記載されていませんが、忘れてはいけないのが耐震の助成金や減税です。
利用するための条件などありますが、できる限り利用して、見積書の金額からマイナスして、お得に耐震補強したいものです。
弊社では、最初に建物の築年数など利用条件の可否をうかがって、利用できるものはご提案の上、申請・手続きも代行させていただいております。
見積書には見えませんが、耐震補強工事の費用を軽減できます。
まとめ
10の秘訣を抑えていただくことで、見積書の見方が変わり、見積書によりしっかりとした補強工事かの見極めができるはずです。
また、同時に信頼できる業者か否かもわかるので、安心して工事を依頼することができるでしょう。
見積書の読み方を知り、あなたと家族の安心な暮らしのために、確かな耐震補強を成功させてください。