耐震コラム
ご存知ですか?皆が知らない緊急地震速報のしくみ
緊急地震速報はどのように私たちに伝えられるのか?
どんな仕組みなのか・・・?
知ってそうで、案外知らない方が多いのではないかと思います。
そこで、カンタンに? 緊急地震速報のしくみを、ご説明したいと思います。
緊急地震速報のしくみ
地震が発生すると震源からの揺れが波(地震波)となって地面を伝わります。
この地震波には P波(Primary「最初の」)と S波(Secondary「二番目の」)とがあり、P波(秒速約7km)の方が速く伝わりますが、被害をもたらす強い揺れは、主に後ろから伝わってくるS波(秒速約4km)です。
全国に設置された気象庁の地震計・震度計(約690箇所)及び、国立研究開発法人防災科学技術研究所の地震観測網(約800箇所)が先に伝わるP波を検知すると、それを電気信号(有線・無線の電気信号は原理的には光の速度≒約30万km/秒)で気象庁に伝え、高精度なスーパーコンピュータが震源の位置・規模(マグニチュード)を瞬時推定し、震度・S波の到達時刻を予測して、S波が伝わってくる前に、揺れること、危険が迫っていることを再び電気信号を使って、TVやラジオ、携帯電話等の受信端末を通して、私たちに知らせてくれることになります。
ただし、いくら電気信号の速度が速いとはいえ、緊急地震速報の発表から、強い揺れが到達するまでの時間は、数秒から長くても数十秒程度と極めて短いことから、震源に近いところでは、速報が間に合わないこともあると言われています。
またごく短時間のデータだけを使った速報であるため、予測された震度に誤差を伴うなどの限界もあります。
緊急地震速報も絶対ではないと言うことです。
ですが防災という意味で限りなく被害を少なくするために有効に利用したいものです。
たとえ誤報だった場合でも、訓練だと思えばいいかと思います。
実際に起こらなくて良かったと思えば・・・
ところであなたはご自宅に居て緊急地震速報を実際に聞いたことがありますか?
もしあるならその報知音を聞いてどのような行動をとりましたか?
おそらく・・・報知音にびっくりして「えっ、地震?」と思いながらも何もせず、そのままの状態で揺れるのを待っていたのではないでしょうか?
実は、私も一緒です。
座ったまま揺れるのを待って(熱帯魚の水槽の水が波打つのを見て)いました。
東京にお住まいの方なら、これまで緊急地震速報が少なかったことや、震源から遠かったこともあって、報知音が鳴ってもすぐ揺れない上に、揺れも大きくないので、報知音にビックリ・ドッキリするだけで、あまり慌ててしまうこともなかったのではと思います。
でももし、首都直下型地震なる大地震や、震源が近い大地震が発生した場合には、そうはいきません。
緊急地震速報を聞いてから地震の強い揺れが来るまでの時間が無いも同然、待ってる余裕などありません。
命に関わる危険性もあり得ることなのです。
やはり、日ごろから家屋の耐震化や家具の固定など、地震への備えと同時に、緊急地震速報を聞いたら、とっさに身を守る行動がとれるように心の準備も大切です。
緊急地震速報を聞いたら、周囲の状況に応じて、あわてずにまず身の安全を確保してください。
もし、ご自宅に居た時なら、頭を保護し丈夫な机の下など安全な場所に避難してください。
あわてて外に飛び出さないでください。
無理に火を消そうとしないでください。
(気象庁HPより)