耐震コラム
「 通電火災 」誰もが備えておくべきこと
阪神・淡路大震災―倒壊(全壊)した家屋が10万5千棟、亡くなられた方の約4分の3は、その倒壊した家屋による圧死・窒息によるものだったと言われています。
我が家が凶器となり、襲ってきたとも言えます。
あっという間に1階が潰れてしまうのですから、ひとたまりもありません。
耐震補強の重要性を改めて感じ、できる限り多くの家屋を倒壊から守りたいと思う次第です。
通電火災
ところで倒壊と同様、もう一つ、忘れてはならない重要なことがあります。
それは火災です。
「通電火災」そして延焼・・・
神戸市長田区の炎につつみ込まれた映像は、あなたも目にも焼き付いているのではないでしょうか?
阪神・淡路大震災では、原因が特定された建物火災の約6割が通電火災によるものだったと言われています。
通電火災とは、地震による停電の後、電気が復旧した時に起きる火災のことです。
大地震が発生すると、送電線の断熱などが原因で停電が発生することがあります。
その後、数時間から数日後に電気の供給が回復しますが、倒れた電気器具(ヒーター、電気を使用する暖房器具など)や、破損した電気配線に通電した時に、火災が発生します。
また、ガスが漏れているところで通電し、発火する場合もあります。
これらを『通電火災』と言います。
たとえ家屋の倒壊に至らなかった場合でも、火災に見舞われては台無しです。
隣家にも延焼しないよう、火を出さないよう、御近所同士が通電火災に備えることが大切だと思います。
通電火災に備える
□ 通電火災対策グッズを取付ける
□ 感電ブレーカーを設置する
上記の対策などの方法がありますが・・・
取付できない分電盤だったり、ご自分では取付できなかったりします。
心の備え
そこでおすすめしたいのは、やはり、日頃からの ”心の備え” です。
お金も掛からなければ、誤作動の心配もありません。
大地震が起ったら、まず落ち着く。
大きな揺れの中で落ち着けと言われても無理!と言われるかもしれませんが、大地震時に一番大切な事は落ち着く事です。
そして避難するときに必ず分電盤(ブレーカー)を切る(遮断する)こと。
この2つが出来れば通電火災は起きません。
(現在の電気暖房機器など、火災につながる家電商品は転倒するとスイッチが切れ、通電しないような、安全装置が備わっているものもありますが、転倒しなくとも、地震の揺れで可燃物が乗ってしまったり、接触してしまったり、配線やコンセントなどの損傷も考えられます。また、必ず安全を確認してからブレーカーを復旧してください)
1.落ち着く
2.避難時には、必ずブレーカーを遮断する
ぜひ、いざという時の為に、覚えておいてください。
自然災害から身を守るには、”心の備え”が大切です。