耐震コラム
「新耐震基準」はもう古い?!
新耐震基準はいつから?
「新耐震基準」とは一言で言うと、大地震に対しての建物の強度(耐震性)の基準です。
昭和56年6月に建築基準法の改正に伴い、この基準が設けられました。
えっ!! 昭和56年!!・・・そう30年以上も前の基準です。
この新耐震基準で建築された建物が、旧耐震基準(昭和56年6月以前)の建物同様、そのおよそ一割が大破や全壊・倒壊・・・と、甚大な被害を受けてしまいました。
平成7年1月17日に発生した、阪神・淡路大震災です。
24年たった今でも忘れられない、忘れてはならない大災害です。
この大震災で、直接地震が原因で亡くなられた方の80%が家屋倒壊による圧死だとされています。
その教訓から、新耐震基準では不十分とされる点について、耐震性能を高めるための改正が、平成12年6月に行われました。
これが「新・新耐震基準」や「2000年基準」とも言われる現行の基準です。
では、何が変わったのでしょうか?
「新耐震基準」と「新・新耐震基準」の大きな違いは、建物の強さのバランスと接合部の強化(ほぞ抜け・引き抜き防止)を重要視したことです。
したがって、平成12年6月以降に建築された住宅は建物のバランスが良く、ほぞ抜け・引き抜きが起きないよう、接合部(柱頭柱脚・筋違い)に耐力の見合う金物を使用し、耐震性を確保することが建築基準法で定められていますので、大地震でも一応倒壊しないレベルを満たしていることになります。
反対に、平成12年5月までに、建築確認を申請し建築された新耐震基準の木造戸建ての住宅は、耐力壁の配置・柱や筋違いの接合部などに弱点があります。
新耐震基準とはいえ・・・
「新耐震基準 ≒ 古い基準 ≒ 耐震性能」が、不十分なのです。
にもかかわらず、行政の行なう耐震に関わる助成金・補助金は、その申請条件として昭和56年6月以前(旧耐震基準)の建物に限られていることがほとんどです。
昭和56年6月~平成12年6月の間に建築された木造住宅は?
残念ながら、耐震助成の対象外、何もありません。
記憶に新しい、あの熊本地震では、新耐震基準で建築された昭和56年~平成12年の住宅800棟のうち、9.1%(73棟)が「倒壊・崩壊」という結果が報告されています。
また、現在まで耐震診断を実施した木造住宅において、新耐震基準での比率が高まり、旧耐震を明らかに上回っているそうです。
新耐震基準での住宅も助成対象となるよう、早急な制度の変更・拡大に期待すると同時に・・・
お住まいのあなたが「新耐震基準だから大丈夫」と安心してしまうことなく、耐震診断・耐震補強を行なっていただくことを願います。
大地震は待っててくれないのですから・・・
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