耐震コラム
国土交通大臣登録「耐震診断資格者」講習を受講して・・・
私事ですが、、、
昨日、国土交通大臣登録 木造耐震診断資格者講習を受講してまいりました。
建築物の耐震改修の促進において、「耐震診断資格者」としてその担い手となるための、建築士を対象とした講習です。
全国の主要都市で行われており、私が受講した東京②会場だけでも、200名近くの建築士が受講していました。
他会場を含めると〇千名?でしょうか。
それぞれ受講の目的に違いはあるにせよ、これだけ多くの建築士が耐震に携わり、大地震に対し-建物の倒壊を防ぎ、人の命を守る-ために行動されていることを実感し、私のなかで、より一層の使命感が湧いた気がします。
しかし、その反面、まだまだ多くの倒壊の恐れのある建物があり、耐震化が思うように進まない現実があります。
その大きな理由は、耐震に関わる費用の問題だと思います。
一言で「耐震」と言ってもその費用の平均は、木造2階建ての住宅で150万円程度(補強工事)、その他に耐震診断費用、補強設計費用等がかかります。
助成金の利用も考えられますが、ほとんどの地方自治体が昭和56年以前の住宅を対象としており、それ以降の住宅は対象外です。何もありません。
仮に助成金が受けられたとしても、自治体によっては、耐震全体の費用の5分の1程度、自己負担は大金です。
結果、「耐震」をあきらめてしまう方や、知ってか知るまいか、耐震診断もせず金物だけを取り付けて終わりの安価(安易)な耐震(もどき?)や屋根の葺き替えだけの耐震(もどき?)を選んでしまう方もいらっしゃいます。
耐震(もどき?)を提供している事業者も問題ですが・・・
受講された方の中だけでも、耐震に携わり、真剣に向き合っている事業者も多くいるはずです。
その多くの事業者が、耐震診断、補強設計をよりリーズナブルに行い、補強工事に係る費用についても費用対効果の高い工法を選定しできる限りの費用を抑えた「耐震」を提案していけば、きっと費用の障壁も下がります。
同時に、行政に(モノ言える立場ではありませんが)、助成金の増額や建築時期(助成条件)の拡大など、「耐震」を考えている方にとって、もっと利用しやすい制度、もっと利用できる制度にしていただくことを望む次第です。
大地震でも倒壊しない「安心」をすべての人に・・・
講習を終えて・・・気持ちよさそうに熟睡?されている方もいましたが、ほとんどの皆さんが真剣に受講されていました。